螺鈿(らでん)は夜光貝や鮑(あわび)貝などの貝殻を模様に切って漆面や木地に装着する技法です。この貝殻を使った服飾品が今でも和装業界では作られています。西陣帯では早くから、貝殻を帯地に織り込んだり、帯地の表面にはめ込んだりした螺鈿帯が作られてきました。いずれも体に結ぶものなので、割れたり折れたりする恐れがあるために柔軟加工を施したものを使用します。特に織り込んだものは、古来の張り付けやはめ込みではなく、西陣帯の特徴である引箔(はく)の技法を使っています。この技法は貝殻を軟加工し、一ミリ以下の幅に裁断したものを緯糸として織り込むものです。