加賀友禅には手描き染めと型染めがありますが、中心は手描き染めです。日本画の表現として重要な線描を糸目糊(のり)置きで行って彩色、ぼかし染め、地染めをする糸目友禅が主流をなしています。柄モチーフは花鳥風月など具象的な自然描写ですが、花びらや葉の色彩に盛んにぼかしが用いられます。そのぼかしは京友禅が外から内に向かっているのに対して、加賀友禅は外から内に向かう点が特徴です。色調は蘇芳(すおう)、黄土、藍、緑、墨を基本にし、これを「加賀五彩」と言います。この色調を基本に数多くの色目を使い華やかに彩色されてきた加賀友禅ですが、最近は単彩へと移行して、色調の特色は希薄になってきています。